ブルー・ブルー・ブルー
プロット
オーストラリア
06月07日 2008 台灣上映
パープル・バタフライ
プロット
中国・フランス合作
11月12日 2005 台灣上映
Mバタフライ
プロット
アメリカ
01月01日 1900 台灣上映
バタフライ・キス
プロット
イギリス
05月02日 1998 台灣上映
バタフライ・ラヴァーズ
プロット
香港
04月01日 1996 台灣上映
クラブ・バタフライ
プロット
韓国
09月07日 2002 台灣上映
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ブルー・バタフライ評論(2)
マジメにやり直そうと踏ん張る優しい義兄の足を引っ張りまくるところとか、言い訳ばかりの親父の胸くそ悪さはなかなか良かったし、育った背景からある程度は察するところもあるし哀しさもわかるけれど、追い詰められる描写にそれ程の危機感がなく、主人公がまともに生きられないのは甘えに感じる。
空気は好きだけど、映像にしても描写にしてもキレイな印象が強くて、エピソードもマイルド。
もっと悲壮感や絶望感が欲しかった。
ATGのようなシークエンスのイメージを感じ取れる作品。テーマはアメリカ社会で底辺を生きるラティーノ・チカーノの女の壊れゆく様を映し出す辛口の内容になっている。勿論そこには麻薬、暴力、その起因である幼少期の性的虐待、それら全てを司る圧倒的経済格差と拝金主義、自由主義の負の現状をあますとこなく描き出している。映像はモノクロームが大部分だが、主人公の記憶や現在のポジティヴなシーンではカラー映像で、鮮やかさの印象をはっきりと使い分けている。
ストーリー展開としては、序盤非常に解りにくい構成であり、それが徐々に登場人物の関係性や抱えている闇が現われてくる。しかしながら、思い違いの罪は強く、主人公の名前や容姿とモノクロ映像のせいで、なんとなくロシアな匂いが暫く頭から離れなかった。例え、音楽にカリビアンが流れていてもその違和感に中々馴染めずに、居心地の悪さを感じてしまったのだ。主人公の行動も度が過ぎた悪行とその怖さが強調される彫りの深いクールビューティな顔立ち、ヤサグレ感、悪徳ホスト(ビアンなのだが)感がその違和感と思い入れの拒絶をしっかりと印象付けてしまっている。主人公が恋人の女を車に押し出したり、挙げ句の果てに甥の誘拐まで犯すに至り、そうまでしなければならない生への執着、クスリからの支配、過去のトラウマ、そして全てへの復讐と対する因果応報。なにも救われない強烈な虚無感がそこには表現されている。大変ビターな現実を突きつけられた作品である。
PS:モンタージュカットは一寸懐古的かなと思ったりしたが・・・(苦笑