イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウが共演したSFサスペンス。遺伝子操作で生まれた“適性者”が社会を支配する近未来。自然出産で誕生したビンセントは、“不適正者”として冷遇される人生を歩んでいた。彼は幼い頃から宇宙飛行士を夢見ていたが、それは適性者のみに許される職業だった。ある日、ビンセントはDNAブローカーの仲介で、下半身不随となった元水泳選手ジェロームの適性者IDを買い取る。ジェロームに成り済まして宇宙局「ガタカ」に入社したビンセントは、努力の末についにタイタン探査船の宇宙飛行士に選ばれるが……。アンドリュー・ニコルの監督・脚本デビュー作。
ガタカ評論(20)
BS12字幕版鑑賞。本日のベスト。苦手なSF。だが、これはそこに留まらない人間ドラマだ。
遺伝子操作が可能となった未来、完璧な子どもを産めるように。そこでは自然分娩による者は生まれながらの不適合者。そんな不適合者に未来はあるのか?友情、恋愛、そして夢。
これ以上は言うまい。見れば分かる、その素晴らしさ。NASAも認めた現実的なSF映画第1位。見ずにはおれまい。
でも面白いよこれ。
当時は近未来を見せてもらったような気持ちになったと思います。
今では希望をかなえた不適正者の夢が悲しく思えます。
なぜか、学生時代の夢を見ました、若くして隠居生活をすることになったことを話しています。
楽な生活ですが、なぜか悲しくなりました。
目覚めて、自分が老人になっていることに気付いて安心しました。
イーサンホークが出演しているSF映画ということで、見て観たら、なんと20年以上前の映画でした。
ニュージーランド出身のアンドリュー・ニコルのデビュー作です。
1997年製作。イーサン・ホークの七三(髪)がまぶしかったです。
近未来を描いたSFなんですが、静かに地味に淡々と物語は進んでいきます。劣化遺伝子を排除して、試験管べービーが当たり前となった世の中。遺伝子の優劣で出生や人生が決まってしまうなんて…。しかし、今の時代だって、神の掟(?)を破りさえすれば、すぐにでも実現しそうな話です。
自然融合(妊娠)で生まれた、ヴィンセント(イーサン・ホーク)は、最高級な遺伝子を持っておらず、寿命も30歳と短いが(でも、寿命を過ぎても生きている!)「宇宙飛行士になる」という夢を実現するため、優良DNA提供者のジェローム(ジュード・ロウ)の協力を得て、タイタン行きの宇宙船に乗り込むという話ですが、「遺伝子だけで決められる無機質な体制」を監督は強く批判したんでしょうね。人間の無限の可能性を求め続けた主人公の姿に勇気づけられました。
途中、指先からではなく、静脈から血を取って血液検査するシーンがあるのですが、ここはどうやって乗りきるのかと思ったら、「そんな方法があったのか!?」と。アナログ的な感じでした。笑
ジェロームが最後に死を選んでしまうところが切なかった。あれだけ医学が進歩した時代なんだから、交通事故による負傷も何とかなりそうなのに。「手紙を書いた。後で読んでくれ」というのが、これまた、乙女チックで哀愁が漂っておりました。
『プリデスティネーション』、『デイブレイカー』といい、異色なSFでイーサン・ホークは頑張っています。