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カサブランカ評論(20)
ルイと署長の友情がたまらんな〜〜
ほんでセリフ回しがとっても素敵
署長とルイのセリフのテンポがそれぞれ勉強になるっす
面白い脚本からくだらない映画ができることはあっても、くだらない脚本から面白い映画ができることはない
と言ったそうだが、これはまさに前者である
この映画は脚本がすごく良いと思う。この架空の街の架空の設定における人々の心の辛さや幸せを見事に描いている。
しかしとても残念なことに配役が大失敗だと思うのだ。ハンフリーボガードはちょっと活動家という感じが出ないしイングリッドバーグマンはこの役をやるには美しすぎる。それにキャラがあまり出てなくてただ美しいだけの女性になってしまっている。さらにライバル役の国民の希望的な活動家なのだが、完全にプレイボーイタイプを持ってきてしまった。脚本からするとこの役は見た目の冴えない男がやるべきなのだ。それを監督が何を勘違いしたか恋愛ドラマとして作り上げようとしたのでこのような配役になってしまった。そもそも脚本と監督が合わなかったのだろう。ハンフリーボガードのファンには申し訳ないがこれは失敗作だと思う。しかし脚本が良いので脚本だけをおってみれば逆に名作に感じる。そんな映画だと思った。
それにしても、なんとコンパクトな舞台とロケだろう。
あの時代のあの時期は、これで夢みるような十分なロマンを与えられたのだから、そこが素晴らしい。
愛するイルザのために自分を犠牲にする際の「君と幸せだったパリの思い出があるさ」というセリフ。
とにかくカッコ良い。
しかし、なんといっても本作の見どころは、I・バーグマンの美しさに尽きる。映画史上最高の美ではないかと思う。
何十年前に見た時も感動のあまりしばし呆然とした記憶があるが、今回の再見でもそれは変わらず。
バーグマンは実は見ようによっては一体どっちが好きなの?的魔性の女にも見えることに今回気づいた。いい奴はひたすらボガードですね。戦意高揚の部分もありますが、それのみに終わらぬストーリーもさすが。
兎にも角にも他作品では味わえぬバーグマンの究極の美、君の瞳に完敗(笑)