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プロット
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02月23日 台灣上映
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フレンジー評論(6)
鑑賞日:2015.3.29
女性陣がなんだか色っぽかった。
無理やりケチをつけるとしたら、ヒッチコック監督作品お約束のすこぶる付きの金髪美女ではなくて、それなり美人の中年女性しか出ないことぐらい
とは言え彼女達も十分魅力的
だから猟奇的連続殺人犯の餌食になる説得力はある
この辺の匙加減は若い頃には理解できなかったことかも知れません
カメラワークがまずもって見事
冒頭の空撮からロンドン名所のタワーブリッジをくぐり抜けるところから驚くのだがこんなのは序の口
第一発見者が殺人現場になにも知らずに昼食から戻り、路地に向かいカメラを素通りして建物に入るシーンではそこから少しの間何も起こらず、観る側に何が起こるのかを十分に想像させたあと、絶妙の間を置いて路地まで悲鳴が聞こえて通行人が驚く様を見せる
次の犠牲者の背後に犯人が立つシーンでは、犠牲者の顔のアップとなって雑踏の音がスッと消え、カメラが引くと彼女の後ろに犯人が立っている
何いう小憎らしいくらいのカメラと演出の相乗効果を上げて見せる
事に次の殺人現場のアパートの2階から狭い階段を後ろ向きに下って、踊り場を曲がって更に下りる、遂には人が行き交う雑踏の大通りにまでカメラが途切れなく一気に後退するシーンはステディカムのない時代にどうやって撮ったのか魔術的で効果満点!
レイプに続く殺人シーンの迫真さ
正にタイトル名のフレンジー!激昂の意味通り
瞳孔を開き舌を長くだして事切れる遺体
証拠を握った死後硬直した指を折るシーンはヒッチコック作品ではあまりない残酷シーン
これを中和するためブラックユーモアもかなり強めに効かせてあり、これも絶妙なバランスで息抜きとして機能しています
出演者全員が演技達者なのは言うまでもない
またイギリスに戻った監督がロンドンらしさを画面いっぱいに繰り広げてくれます
青果市場はコベントガーデンマーケット
築地の様に都心のすぐ近くにあったのですが、今はちょうど豊洲の様に少し都心から離れたところに移転しています
音楽もロンドンらしさが出ており、何より本作の雰囲気に良く合う素晴らしいでき
くどい説明シーンはなくスマートにお話の展開を見せてくれる技は正に素晴らしい腕前の包丁さばきのよう
裁判所のドアを少し開けて判決だけが漏れ聞こえるシーンはお見事この上ない
ミシュランガイドに載るようなレストランな名シェフのご馳走を堪能したかのような満足感が味わえます
ヒッチ作の犯人が極めてサイコなのは「サイコ」「見知らぬ乗客」でもおなじみだが、本作は過去の「見せない演出」ではなく、ヌードも死に顔もあえて「見せる」ことで観る者に衝撃を与える。その意味では従来の防波堤が効かない分だけ、なかなか危険だ。またシリアスになりすぎないよう細かなユーモアを加味し、コヴェントガーデンやレスタースクエア、テムズ川沿いなど巨匠ゆえに実現できた名所ロケを随所に散りばめているのも見どころだ。
ストーリー: 70
キャスト: 65
演出: 70
ビジュアル: 70
音楽: 65
まずまずの犯罪物。50年代とかの過去のヒッチコック作品と異なり、演出や撮影技術も随分と現代風に進化している。
それにしても主人公の男は運が悪い。最初から周到に計画されていた罠にはまったかのように彼に都合の悪い状況が続き追い込まれる。しかしそれが偶然の結果というのがなんとも信じがたいほどである。