ARGYLLE アーガイル
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劇場版ごん GON, THE LITTLE FOX評論(11)
あっという間に物語は終わったが、誰も顔をあげなかった。大人が嗚咽して立ち上がれないのだった。
同じストップモーションでKUBOがあったけど、あれは凄いけどなんかなあと思った理由が少しわかった気がする。
動作と動作の間にある空気感に温度がある、というか。隙間だから、絵面上見えてない部分なんだけど、画面から滲み出る手間の気配、というか。
百姓のつぎはぎだらけの服とか、彼岸花とか、頭部の木彫とか、この映画、手間しかない。
そしてどの手間にも制作者の愛が感じられる、素敵な作品でした。
切ない…
やはり、人間と野生の動物は仲良くなれないのかなぁ…
特設展示も開催されてて、木で創られた実際の人形が素晴らしすぎて、感動倍増。
兵十を演じた入野自由の芝居も素晴らしかった。ナイーブな若者役が上手い人だけど、そのナイーブさが生命を奪うことの抵抗感につながっていた。「ごん、お前だったのか」の抑揚の効いた芝居がすごく良い。諦めたような、感情が一つ死んだような、でも悲しみがこもっていた。八代健志監督の作品をもっと見てみたいと思った。