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婦系図 湯島の白梅評論(1)
「切れろ別れろは芸者の時に言う言葉。今の私にはせめて死ねと言って欲しい…」
原作泉鏡花による悲恋物語。
格子戸を明け朝日を浴びる山本富士子。
余りに神々しい輝きに満ちた美しさを、一体何に例えたら良いのだろう。
世を忍んで1つ屋根の下で夫婦となった、元芸者のお蔦こと山本富士子と、早瀬こと鶴田浩二の2人。
妻が偶然夫の幼なじみの男(高松英郎)と出会った事から、徐々に運命の歯車が狂い始める。
現代ではなかなか理解がし難いが、舞台設定の明治初期とあらば、時の世間的な封建制度によってジワジワ真綿を締め上げる様な悲恋へとなって行く。
そのシンプルな日本式の物語は、森雅之と杉村春子の再会をもってピークに達する。
頑固一徹な森と、長い間世を忍ぶ生活を自らに課して来た杉村。
2人の芸達者によって、このシンプルな話に深みを際だたせ、更なる悲恋に拍車をかける。
死の床に伏すお蔦の枕元に添えられる美しい梅の花びら。
あの日、別れ話をしたあの湯島の梅の花。
監督衣笠貞之助による、後世にまで伝えたい素晴らしいまでの美しさ。
堪能し、その日本人特有の慎ましさに号泣しました。