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日本
02月23日 台灣上映
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03月01日 台灣上映
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03月08日 台灣上映
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春の画 SHUNGA評論(20)
女性器、男性器、陰毛、
あらゆるむつ言の恰好。
一流の絵師たちがその技と
画力を競うように描いた春画の数々は、
大らかでエネルギッシュで多幸感に
満ちていて、いやー朝9時30分から
愉快痛快な気分にさせてもらいました。
まだまだ僕も元気です(笑)。
ずいぶん前から噺家さんたちと
話をしてたんだけど、
やっぱりバレ噺ばかり集めた
「R18裏観山寄席」やろうかな。
②先ずは春画そのものよりも、現代でも版元、彫師、摺師がいらっしゃるのにビックリ(不勉強です)。江戸時代の技術とは同じではないだろうけど、その職人技に感心。
それを先に見せておいて、そのあと江戸時代の春画に関わっていた絵師、彫師、摺師の超絶技巧を紹介する流れは上手い。(意図したものがかどうかはわからないけれど。)
③一般的な浮世絵にせよ春画にせよ、ヨーロッパで認められたり大英博物館で展覧会をしたりで今や「芸術」扱いされているだろうけど、春画専門の絵師はもとより春画も書いた北斎や歌麿は決して自分達が芸術を描いている、描いてやろうなんて思って描いたのではないだろう。携わった彫師・摺師たちもモチロン。
で、「春画先生」との比較で本作の感想を述べるとすれば、本作はドキュメンタリーだけに様々な春画をいろいろな人の眼から語っていました。一方「春画先生」はドラマなので、当然ドラマの部分が主体になるのは分かりますが、世の中的に扱われることが少ない春画の分野を取り上げた作品の割に、その概略的な説明が少なすぎた感があり、加えて物語後半になると内容的に春画から離れて行ってしまう展開になったりと、ちょっと欲求不満でした。その点本作は、春画のイロハを解説してくれるばかりか、個々の春画の裏側に潜むモデルたちの物語にも踏み込んだ話もあり、「春画先生」に足りない部分を満たしてくれた感がありました。
春画について思ったことは、鈴木春信や喜多川歌麿、歌川豊国に葛飾北斎と言った超有名な浮世絵師が手掛けている作品が多々あるにも関わらず、明治政府が猥褻図画に指定して規制したことから、表舞台から消えてしまいました。その後21世紀になって、大英博物館が春画展を開催するに至り、ようやく日本でもスポットが当たるようになったようです。そもそも浮世絵全般にしても、明治時代に入り急速に衰えて行ったものの、ヨーロッパを中心に評価されたことをきっかけに日本でも再評価されました。自国の文化を自分で評価出来ず、欧米が評価すると有難がるという他人任せで主体性のない態度は、実に情けないものだなと思ったところです。
一方大変面白かったのは、春画が単なる「エロ本」ではなく、怪奇物っぽいものがあったり、小人になった主人公の「真似ゑもん」が、色道修行に出かけ、浮気が見つかる場面に出くわしたりと言った滑稽な系統の作品もあったりと、「笑い絵」としての要素もあったことが分かったこと。また、髪の毛や下の毛を写実的に精緻に彫り上げたり、観る角度によって色合いが変わる肉筆の春画など、今の技術では出来ないような高い技術を駆使した作品もあったようで、この辺りは驚きました。
そんな訳で、評価は★4とします。
彫師や摺師といった裏から支えてきた職人技に注目しているのが印象的。特に陰毛の描写の凄まじさには驚嘆。
作品はR18+なのも納得。
精密に描かれた陰部がモザイクなしで大写しに。
有名な葛飾北斎のタコと交わる海女の図も、同じモチーフの作品が複数紹介されててその描写の進化がわかるのがよい。
春画と表現の自由を考えるドキュメンタリーとしては『春画と日本人』があったが、こちらは春画の魅力そのものに迫る内容だ。
春画の彫りの細かい技巧の巧みさや内容のユニークさ、それを当時どのように楽しんでいたのかが専門家や市井のコレクター、アーティストの口から語られる。春画そのものもたくさん画面に登場する。男女が平等に性を楽しめる表現として春画はあったのであり、展覧会にも女性客が多く詰めかけているという。春画をアニメーション化して森山未來と吉田羊が声を当てているシーンがいくつかあるんだけど、これが本当に面白くて笑える。春画は江戸時代「笑い絵」と呼ばれていたそうだが、まさに笑える部分も含めて魅力をたっぷり見せてくれる。