中国近代史の渦中で波乱の人生を送った三姉妹の姿を描いた大河ドラマ。監督は「誰かが私を愛してる」のメイベル・チャン。脚本はチャンのパートナーで「誰かが私を愛してる」「七小福」(監督も)のアレックス・ロー。製作総指揮は「ファイナル・プロジェクト」のレイモンド・チョウ。撮影は「ノックオフ」のアーサー・ウォン。音楽は「天と地と」の喜多郎とランディ・ミラー。衣裳は「ピーター・グリーナウェイの枕草子」のワダエミ。主演は「ラヴソング」のマギー・チャン、「スタンドウーマン夢の破片」のミシェール・ヨー、「ピーター・グリーナウェイの枕草子」のヴィヴィアン・ウー。共演は「赤い薔薇
白い薔薇」のウィンストン・チャオほか。97年度香港アカデミー(金像奨)など各賞を受賞。
宋家の三姉妹評論(3)
この三姉妹を語ることが、そのまま歴史を語ることと同義になる。
原題の『宋家皇朝』、まさに、三人がこの広き大地の中枢に位置し、時代と共に駆け抜けて行く。
力強く、美しく。女性の美しさがその内にあるものから放たれている様が感じ取れる。
こんな女性達があの時代にいたのか!
そして、新中国誕生('49)から65年。歴史は望んだ方向に進んでいるのだろうか?
孫文や蒋介石、宋家三姉妹の役割が分かって興味深かったです。
激動の中国にそんな三姉妹が居たとは知りませんでした。宋家の名を耳にしたのも初めて。いい意味で先入観なしに観られました。
新中国を作るべく革命に命を捧げる孫文と、友人として同志として孫文を支援する父親の元に生まれた三姉妹。
一人は富豪に嫁ぎ、一人は革命家に嫁ぎ、また一人は革命の遺志を継ぐ者へ嫁ぐ。
父親の先見性により幼い頃からアメリカへ留学させられ、広い視野とその時代には珍しく国際的な目を持って育ちます。だから政治にもガンガン口を出すし姉妹間でも思想で敵対してしまう。やがてそれが三姉妹の運命をも左右してしまうのですが…。
三姉妹それぞれに美しいのですが、やはりマギー・チャンは別格に美しい!あの猫のような黒目がちの瞳、吸い込まれそうです。
国民党が台湾へやってきた経緯としては知っていたのですが、その前段が詳細に分かって個人的に非常に勉強になりました。
そんないきさつがあったのね…近代中国、予想以上にドロドロしてました。
幕末の日本もそうですが、まさに「内傷は癒しがたし」。内戦にかまけて目の前の外敵に侵略を許してしまう所にやるせなさを感じました。
レビューの題名は終盤、三姉妹がメディアに「将来映画化されたら三姉妹をどんな女優に演じて欲しいか?」との問いに対する言葉です。印象深かったので。