世界的なベストセラーでピュリツァ賞を受けたハーマン・ウークの同名小説の映画化。「乱暴者」のスタンリー・クレイマーの製作になる。「セールスマンの死」のスタンリー・ロバーツが脚色し、「コンクリートの中の男」のエドワード・ドミトリクが監督にあたった。テクニカラー色彩撮影は「ローマの休日」のフランク・プラナー、音楽は「勇魂よ永遠に」のマックス・スタイナー。出演者は「悪魔をやっつけろ」のハンフリー・ボガート、「雨に濡れた欲情」のホセ・フェラー、「二世部隊」のヴァン・ジョンソン、「深夜の告白」のフレッド・マクマレイ、新人ロバート・フランシスおよびメイ・ウィン、アーサー・フランツ、トム・タリー、E・G・マーシャル、アーサー・フランツ、リー・マーヴィンなど。
ケイン号の叛乱評論(7)
ハンフリー・ボガート。二枚目の代表のようなイメージがあったがこんな役もやっていたという驚き。・・とは言え、それほど彼の出ている映画を観たことがなく新鮮な気持ちで観れた。
クリムゾン・タイドでいうジーン・ハックマンの役柄に似ているのだが、『クリムゾン・タイドの元ネタ映画』の一言では片付けられないプロットが待っている。
「偏執狂」とはどのようなものかがよく描かれているし、ボギーの顔や手元がアップになるとその狂気と共に悲哀が伝わるのだ。
そしてボギー艦長の異常性を指摘したインテリ大尉と主人公を弁護する中尉の攻防や葛藤がラストにもう一段待っている。惜しかったのはボギーにばかり焦点が当たっているが、主人公ではなかったところか。それでもまた観たくなる映画ではある。
最後はいかにもアメリカ的だが弁護人グリーンウォルドの優しさがでていい結末。これぞアメリカ的正義。
スーザ風のマーチで妙に清々しく一件落着といった感じは拍子抜けな印象も受けた。時代背景もあるのかも。
・海軍士官を中心に対立的になるが、嵐の中艦長を交代した大尉が軍法会議にかけられる
・物語のキーとなったイチゴ紛失事件(笑)の馬鹿馬鹿しさ
・模型や背景の合成丸出しはお愛嬌
脱出キーラーゴ北大西洋?ケイン号アフリカの女王・・
晩年髪が薄くなってきたが 腕や胸毛は剛毛もじゃもじゃ 逆だったらよかった
アメリカらしい映画だなと思った。
クスッと笑える所もあり、最後までどうなるのか読めない。艦長の命令に背くのがこんなにも大事になってしまう大変さを思った。何が真相なのか分からない所も良かった。