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男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋評論(9)
寅さんの魅力が凄まじかった。暖かいオーラが尋常じゃなかった。両親がよくテレビを見ていて、その横で何度か見たことがあったのだが、きちんと意識して見たのは初めてだった。こんな面白い映画だったとは驚いた。日本人は年に2回寅さんに触れて、楽しい気分で過ごしていたのかと、大切なものをスルーしていた事に気づけてよかった。
寅さんは完全に童貞だし、定住もできないのはどこか病理を感じさせるところでもあった。あの楽しい人柄は、よそ行きだからだったのではないかと、いしだあゆみとの関係で伺えた。お互いよそ行きの顔をしている時は楽しく接することができるのだが、いざ一線を超えようとするとギクシャクしてしまう。
寅さんはきっと誰にも素の顔を見せたくなかったのではないだろうか。だから誰とも恋をしないし、定住もしない。素顔を見せないために旅をして失恋をし続けていると思うと切なくなった。
(追記)
2回目。いしだあゆみが暗い。彼女の負のパワーで寅がおかしくなってしまう。デートに付き合わされたミツオもおかしくなりそうで心配だ。単に相性が悪いだけかもしれないが、確かにそういう感じで、二人でいるととことん暗い顔をする女性はいる。一体なんでここにいるのだろうと、疑念が生じる。緊張でギクシャクしている以上の何かがある。
マドンナが怖い。シリーズ初と言っていい性的描写も含め積極的すぎる。苦手だ。私も寅さんと同じか、いやいや違いますよ(笑)
加納先生の設定は最高だったが、エンディングはどうも詐欺みたいで…
それにしても満男のポジションがどんどん上がっていく。名子役だったんだ。
今度の恋のお相手は大人女子の色香がほんのり漂う薄幸の未亡人だが、かなりの積極派。
ある晩、未亡人の自宅にて。
我慢の限界を超えてしまった彼女は、意を決したかのように寅次郎の寝室へとやって来る。
ははーん、さては逆夜這いって言うやつですね。うわ➰何だかこっちまでドキドキして来たぞ!
嗚呼、それなのに寅次郎は肝心の時に怖じ気付いて狸寝入りとは情けなや。
足首で女の情念まで表現してしまうマドンナ役のいしだあゆみは、もうアッパレとしか言いようがありません。
「男はつらいよ」シリーズ第29作。
Huluで「HDリマスター版」を鑑賞。
ガガーン! 寅さんが美人に惚れられた!!
これまでもそういうことはありましたが、今回はちとレベルが違う…。徹頭徹尾、心底惚れてんだなぁ、これが! かがりの熱烈アプローチに弱腰になる寅さんなのでした…。
大人の恋愛の機微が炸裂。鎌倉デートのかがりと寅さんのやり取りに心を掴まれました。男女ってのは奥が深い…。ことに恋愛となると一筋縄じゃあいかないよ…。
恋煩いで寝込んでいるとき、寅さんが光男に「お前もいつか恋をするんだなぁ…」と言いました…大当たり!(笑) 満男は「僕、恋なんかしないよ」なぁんて言ってましたけど、するんやで! もうちょっと大きくなったらね!(笑)
前回に続いて、マドンナ未亡人シリーズ。
マドンナにいしだあゆみが、鎌倉に来てと手紙を渡すシーンはこの回のベストシーンです。
いしだあゆみと吉岡秀隆のキャストが、当時の「北の国から」とも重なり面白いです。