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スカーレット・ディーバ プロット イタリア 02月23日 2002 台灣上映
ディーバ ジ・アルティミット プロット 1981年製作 01月01日 1900 台灣上映
ディーバ評論(10)
本物のオペラ歌手が素晴らしい歌曲で魅了する青の珠玉作。
ベネックスのこれがデビュー作と思えない完成度は大したもの。
であると同時に、好き好きが分かれそうなシロモノ。ディーバと
オタク、マフィア、警察、芸術家、泥棒を盛り込んだサスペンスと
思いきや、夜明けのデートシーンでは溜息が出るほどの繊細な趣。
青を基調とした映像、音楽、背景と総ての拘りにセンスが溢れる。
ひょんなことから人身売買組織告発の騒動に巻き込まれてしまう。
アクションシーン満載で、映像がとても凝っているので飽きずに観られる。
今回改めて観ると、そこには現代のグローバリゼーションと文化記号や情報のコピーの氾濫という問題をすでに先取りしていたかのような、物語の設定に驚かされる。情報通信技術の格段の進歩はあるものの、現在の世界を席巻している問題と同じものがここに描かれている。ちょうど年代的にCDが普及し始めたころでもあり、クラシック音楽は演奏を生で聴くものから、リビングや店頭で手軽に消費される音楽へと変わりつつあった。このことは功罪両面あるが、レコーディングを頑なに拒み続け、リサイタルにこだわるオペラ歌手をこの映画は描いている。このディーヴァの熱烈なファンである主人公は彼女の歌声を盗み録りして、バイクに乗りながら聞くことが楽しみなのだ。
この二人の関係はまさに、芸術とそれを愛し消費していく大衆との関係に重ねられる。自分のことを愛してやまない少年は、自分の芸術だけでなく、その褐色の肌ですらそのコピーを求めて黒人の娼婦を買うのだ。
芸術というものがどれだけ大衆に愛されようとも、芸術家の孤独は深まるばかりだということではないだろうか。
いずれにしても、フランス映画は難解だとか言って敬遠している向きにはぜひおすすめしたい一本である。
フレンチ・サスペンスってこんな感じ?
しかしいかんせん主人公を好きになれず。
盗みは働くしつきまとうし。今で言うストーカー。あっさり受け入れる女神にも違和感。