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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実評論(20)
日本にもこんな時代があり、こんな素晴らしい男がいたのかと感動した。
特に驚いたのが三島由紀夫の佇まいや論法で、世代が違う若者たちの土俵に敢えて乗ろうという姿勢は、頭の凝り固まった老害ではまったくない(老害というにはまだ若いが、当時の学生たちには老害に見えていただろう)。マッチョ信奉で極右化した文豪、という雑な先入観がこの映画によって書き換えられたのは大きな収穫だった。
ただ、ノンポリな姿勢故に、この映像が現代にどんな意味を持つのかを提示するまでには至っておらず、興味と好奇心を刺激された者として、もっと踏み込んだものが観たいと感じはした。ともかく入口としての機能は確実に果たしてくれていると思う。
三島由紀夫の肉声を聞いたのは初めてで、ちょっと高めな声。理路整然と文学的な教養を交えて切り込む言論には引き込まれる。
学生の言論にも耳をかたむけ打ち負かそうすることなくユーモアを交えていなしていく言葉のやりとり。自説の論理を行動で体現することにヒリヒリしたものを感じる。
あれから50年、あの熱情は中和されたかのようにふわっとした空気が包むが、熱情自体が現代に消え去ったわけではないと思う。拡散中和されているだけで、みえない部分できっと人は熱情をもっているはず、そう思う。
三島由紀夫が「熱情だけは信じる」と言っていたが、僕はあの言葉がすがりつける唯一のものだったとして、それは現代でもあると信じる。
三島と東大きっての論客 芥 正彦の対決が見ものなのだろうが、思想が違えど彼らが戦っていた相手は同じ、腐敗し堕落した日本。面白いことに全共闘の基本的考えは表面上は革命であるのでしょうが本当は反米愛国で三島と大差はなく、そこに行くアプローチが違うだけなのでありましょう。天皇制においても解釈の妥協点は十分にあったように見えます。
あの当時の学生が本当に革命だったのかと疑問に思っていましたが根底に愛国があり安心しました。
革命ってフランス革命やロシア革命を思い出しますが根底には貧困と弾圧があったのでしょう。そうでなければ命がけで革命なんてできません。あの時の学生運動の時代背景はどうであったのでしょう。おそらく高度成長下で餓死することもなく警察に捕まっても命までは囚われないのでしょう。そんな中で革命なんてできっこないし、彼らも本気でそれができるとは思ってなかったのではないだろうか?中国で思想的弾圧が横行しているが革命が起こらないのは市民が餓死することなく食べられているからでしょう。近代日本では革命の要素は揃わないので日本では革命は起きないのだと思います。
学生運動の思想はその後日本では廃れ、拡散した。学生達のふるった剣はうまい具合に納められたが、三島がふるった剣の納まるところが見つからず彼は自決することになる。
芥 正彦は後述でこの自決を演じるという言葉を使ったかと思う。切腹というセンセーショナルな方法で日本の変革、憲法改正を迫った。印象的な方法をとって日本人から忘れられない方法を取った。直感的に思ったのがキリストと同じ方法だと、、、、。
三島は伝説になった、、、、、。その思想も消えることがないでしょう。
あの自決が三島の最後の一手で、ある意味この国への絶望であったのだろうか?
それともまさに計画通り、、、最後の決め手、、、、キリストと同じ思想の定着のための珠玉の一手だったのだろうか?
私は後者なのだろうと思います。
三島由紀夫が右翼という程度の知識しかなかったが、なおも話題となる三島由紀夫がどんな人だったかを知りたく、鑑賞。
日本、日本人としての想い、そして、哲学からくる思想、相手へのリスペクト、人間性など、惹かれる部分があった。
(ドキュメンタリーで操作されている部分もあるかもしれない が。)
暴力について、はっきりしない部分もあったので、考えたい。