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空気殺人 TOXIC プロット 韓国 09月23日 2022 台灣上映
人形霊 プロット 韓国 07月16日 2005 台灣上映
人形嫌い プロット 日本 09月25日 1982 台灣上映
気球の8人 プロット イギリス 09月15日 1984 台灣上映
坊やの人形 プロット 台湾 01月01日 1984 台灣上映
越前竹人形 プロット 日本 10月05日 1963 台灣上映
空気人形評論(20)
かなり前に一度観て、良かった記憶がありこの度再視聴。
空気人形と言い換えてあるも、主人公はいわゆるラブ・ドール。そんなラブ・ドールののぞみが「心」を持って…というほんのりファンタジー。
(好きな作品なんだけど主人公が主人公だけに若干人に薦めづらいのよね…。)
個人的良かったポイント
・まずもって主演のペ・ドゥナがめちゃくちゃ魅力的。
この作品、画面の切り取り方や、小道具、衣装も可愛くてそれだけでキュンキュンくるんだけど、やっぱり主演のペドゥナちゃんが本当に人形みたいでものすごく可愛いのだ。
あんなに細くて本当に人形みたいな人いる!?
ヌードも披露してるけど、この作品においてはいやらしさより無機質さと美しさが勝るのすごいよな。
そしてヌードシーンよりも官能的なのがジュンイチから空気を吹き込まれるシーンなのだ。
・時代や人の心の空虚さと空気人形を重ね合わせるのはうまいなあと思う。
・この作品、びっくりするくらいセリフが少なくて、全編通してゆったりとした静かな雰囲気。その分登場人物たちの動きや表情に語らせているのがすごいなあと思う。
・改めて観たら出演俳優陣かなり豪華。
柄本佑さんや星野真里さんのあんな使い方。
人形職人役でオダジョーが出てきたときは嬉しかった。優しい眼差し、素敵だったなあ。
あとジュンイチにのぞみが空気を吹き込むシーンは切なくもあり、軽くホラーでもあった。
切ないはずなのに戦慄。
当初は、”随分、冒険したなあ、是枝監督・・”と思ったのだが、ラブドールを演じたペ・ドゥナさんの”心を得てからの”たどたどしい日本語の呟き
”私は、ココロを持ってしまいました・・”
”ココロを持ったので、嘘をつきました・・”
と言う言葉が、妙にココロに響くのである。
付け加えれば、ペ・ドゥナさんのたどたどしい日本語が、ココロの無かったラブドールが急にココロが宿った現実についていけないたどたどしさとの、見事なシンクロ度合いにも引き込まれた。ー
■印象的なシーンと少し心中で突っ込んだシーン
・レンタルビデオ屋の店員(ARATA:この頃は是枝組の常連であった)に恋したラブドール、のぞみが一緒にレストランに行った際に、隣の席のシングルファーザーが娘の誕生祝をするシーン。”誕生日って皆、アルンデスカ・・”
・望みの所有者(板尾創路)が、ココロを持ったのぞみの姿の変化に気が付かない事。
-当初、鑑賞した際には心中で大分突っ込んだ・・。我ながら、大人げない・・。未だ尻に蒙古斑がある若造だったなあ・・。-
・公園で老人が蜉蝣の話をするシーン。
”空っぽだけれども、卵はあるんだ・・。私はもう空っぽだ・・。周りにもそういう人間はいるよ・・”
-今観ると、生命についての深い会話である。-
・ビデオ屋でアルバイトを始めたのぞみが、棚整理の最中、落下して空気が抜けるシーン。ARATA演じるビデオ屋の店員が恥ずかしがる彼女の空気口から人工呼吸の様に空気を吹き込むシーン。のぞみの頬が紅潮している・・。そして二人は抱き合う。
・過食症の女性や企業の受付嬢が様々なストレスを発散する方法。
・度々、ペ・ドゥナさん自身の声で流れるモノローグ
”私は空気人形。性欲処理の代用品・・”
・自分を作ったラブドール製作者(オダギリジョー)の元をのぞみが訪れた際の二人の会話。
“お帰り” ”ただいま・・”
そして、廃棄品になったラブドールの表情に付いて語る製作者の言葉。
”ちゃんと愛されると、表情に出るんだよ・・”
のぞみの言葉 ”生んでくれて有難う・・”
-ちょっと、涙腺が緩む。-
・レンタルビデオ屋の店員の願いを聞いての、血まみれの情交シーン。そして・・。
過食症の女性が久しぶりに窓を開けて、下を見た時にゴミ捨て場に捨てられた望みを見て発した言葉。
”綺麗・・”
<近作品は、久方振りに見たが、奇想天外な設定を自家薬籠中の如く、見事な映像作品として成立させてしまう是枝監督の手腕には,唸らされるばかりであった・・。>
<2011年ころ、DVDにて鑑賞>
<2020年8月29日 別媒体にて再鑑賞>
主役のペドゥナが本当にきれい。細くて、でも女性らしく柔らかそう。
私はペドゥナの身体を性的に見ることはできなかった。きれいすぎて、そうやって汚してはいけないような気になる。
心を持ってしまったのぞみが秀雄のキスを拒むシーンがよかった。
自分が性欲処理の道具だとわかっていても、好きな人ができたらその人以外に触れられたくない気持ちが表情から伝わってくる。
それでも秀雄との夜中の散歩?を見られてしまった店長のセックスは拒めなくて、受け入れるしかなくて。
このシーンもペドゥナの表情がよかった。なにもかもすべて達観してる顔。冷めた表情と店長の盛り上がりの差が激しい。
純一とのベッドシーンは、純一がのぞみの空気を抜いたり入れたり、まるで殺しては生き返らせての繰り返しのような行為にのぞみの顔がほてるのがせつない。
そして心を持ってしまったときから変わらない純粋さで「今度は私が空気を入れてあげる」とセロハンテープまで用意してお腹に穴を開けてしまう。
純一は燃えるゴミで、自分は燃えないゴミだと教えられた通りにする無垢さがまた眩しかった。
映画を通してすごいと感じたのは、ペドゥナのまばたきの少なさ。
ゴミ捨て場に横たわるのぞみがまばたき1つしないのは本物の人形のようで生々しかった。
何回も見たいとは思わないけれど、でも見てよかったと思える作品でした。