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決断 運命を変えた3.11母子避難評論(1)
「10組の家族の苦悩と現状を描いたドキュメンタリー」との言葉から観る前に描いていたイメージとは全く違い、そこに登場する人たちは、「かわいそうな人達」ではなく、「歴史を作る真正面を歩いている ある意味輝いている人達」でした。安孫子監督のカメラの前で、語る様々な本音は、福島原発事故の問題を浮き彫りにすると同時に、時代の中で、抗って生きる人たちにとって、メッセージのような珠玉の言葉がちりばめられていました。
アフリカで野生生物をとったり、東日本大震災と福島原発事故後、福島県会津に移住するという異色の経歴をおもちの安孫子監督が、はるか遠い未来を見つめて作った映画だということも感じられました。
映画監督のカメラの前にたつということは、避難した人にとっては大変なことと思います。
10組の家族の向こうには、カメラの前にたとうとはしない何万倍かの人たちがいることと思います。
日本中どこに住んでいても、原発事故と無縁では生きられない中にいるからこそ、メデイアがとりあげることのない「避難の現実と避難者の思い」を描いた「決断」は誰もが観ておくべき映画と思いました。