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ジョン・レノン 失われた週末 プロット アメリカ 05月10日 台灣上映
濡れた週末 プロット 日本 09月22日 1979 台灣上映
失われた肌 プロット アルゼンチン・ブラジル合作 04月11日 2009 台灣上映
失われた航海 プロット イギリス 05月17日 1980 台灣上映
失われた青春 プロット 中国 11月11日 1989 台灣上映
失われた大陸 プロット イタリア 05月05日 1956 台灣上映
失われた週末評論(6)
女優賞を除くアカデミー賞主要4部門獲得に納得の内容だった。
ワイルダー作品では「情婦」「アパートの鍵貸します」が特に好きだが、数十年ぶりに観たのこの映画も2作品に肉薄していると再認識した。
ワイルダー作品は「お熱いのがお好き」「七年目の浮気」等々内容自体はあまり好みではない作品もないではないが、これらの作品も脚本と演出力なのか、上手な映画だなと思わせてはくれた。
「失われた週末」もアルコール依存症(薬物・ギャンブル等の依存も同様に、なのだとは思いますが)啓発の社会提言の内容と相まって、その監督の力量が充分に発揮された作品になっていると感じた。
出会うシーンが好きです
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 60
音楽: 65
才能溢れる若き日の自分は、将来の成功を信じて疑わなかった。それなのに現実を突きつけられて、何度挑戦しても挫折を繰り返してしまって自分の弱さを制御出来なくなる。主人公ドンのアルコールに溺れるそんな過程がよく描かれていて、何故にこうなってしまったかが納得できた。同じアル中を主題にした映画の「男が女を愛する時」は、弱さに言い訳つけて依存症になるのに無理やり綺麗な理由づけをしようとしていたように見えたので、こんなふうに正直に挫折と弱さを見せてくれたほうが素直に受け入れられる。
他にこの映画で良かったのは登場人物。見ていて殴り飛ばしたくなるほど脆さを制御出来ない情けなさ丸出しの主人公に加え、面倒見の良い兄と献身的な彼女と厳しさと優しさの同居するバーテンダーが主人公の周囲で物語を紡ぐ。いい人だらけでなぜここまでしてくれるのかと正直疑問符がつくくらいだが、なんとかしてやりたいという愛情や人の情けの大切さをわからせてくれる。依存症は個人だけの問題でなくて周囲を巻き込むし、また個人で解決出来る問題でもないということを描いている。
アルコール依存症は依存症という病気であり体に起きる化学反応であるから、酒をやめようという意思だけで簡単にやめられるものではないと聞く。何年もやめられなかったものがこれで解決するとは到底思えなくて、結末にはあまりに楽天的すぎるゆるさがある。男の情けなさに途中いらいらもしてくる。依存症の解決だけの話ならば、もっと専門的な治療法を組み込めばいい。だがアルコール依存症の話だけにとどまらず、夢破れて苦悩し挫折しもがきながら落ちていった男の絶望の半生と、なんとか彼を立ち直らせようとする周囲からの救いの物語が良かった。
望みがなくて本っ当に好感がもてる主人公。
共感とはまさにこの事である。
好感がもてるのと同時に憎悪も抱くという、まるで自分を観ているような・・・こりゃ一体・・!?
「ウン、わかる、わかるよ~~。」
瓶を隠しておいたり隠したことを忘れていたり、嘘ついたり隣のひとの財布を摺ったり・・・。
ダメ人間の行動パターン思考パターンはこうも似るものか。
私はアル中じゃないし、財布も摺ったことないけれど。
あいだみつをの無条件全肯定と、ニーチェの肯定は違うとどこかで読んだことがあるがそんな感じだろうか。
時々垣間見える詩的なセリフもとても良かったなぁ。。。
この映画をみた数日後に、図書館のバックヤードに入る事があった。
かなり古い閉架で、戦後進駐軍が置いていった本がドッサリ。
ふと観ると・・「The Lost Weekend」が・・・!オオォ・・!
見つけたときには鳥肌たっちまった~。
兄弟も恋人よりもお酒。
しかし、虎の子のタイプライターを質に入れようとするが休日のためにできない。
さらに、飲み屋で女のハンドバッグから金を盗もうとするが捕まることもなく失敗する。
救いがないように見えて、生まれ持った天賦の才によって周りの人間、そして運命にも見放されていない男。
幻覚シーンの描写は甘いが人物の心理描写と絶妙の音楽センス。
もし、時代が違ってハッピーエンドでなければどうなっていたんだろう?
90点。