「突然の恐怖」のジョーン・クローフォードが主演する1954年作色彩(トルカラー)西部劇。ロイ・チャンスラーの小説を「魔術の恋」のフィリップ・ヨーダンが脚色し、新人ニコラス・レイが監督した。撮影は「女性よ永遠に」のハリー・ストラドリング、音楽は「テキサス街道」のヴィクター・ヤングである。共演者は「アスファルト・ジャングル」のスターリング・ヘイドン、マーセデス・マッケインブリッジ(“All the King's Menでアカデミー助演賞受賞)、「夜歩く男」のスコット・ブラディ、「素晴らしき哉、人生!」のワード・ボンド、ベン・クーパーなどである。
大砂塵評論(4)
ヒロインが人生の辛酸をなめつくしたような女で、自分には手に負えないとしか思えないのだけどモテていた。彼女に嫉妬する女がまた気が強くて意地悪で、ひどいのだけど、そんな女同士の争いが戦争のように発展するところがリアルな感じがする。
主人公が実は凄腕ガンマンだったというのがワクワクするのだけど、それほど腕前を発揮しない。普通のチンピラとのタイマンでけっこう苦労して勝っていた。
そして最後の最後で唱われる歌詞付きの主題歌で涙腺が崩壊します
誰もが知る名曲ジョニーギター
映画音楽大全集にはほぼもれなく収録されているでしょう
本作の本当の主人公はヴィエナ
演ずるジョーン・クロフォードは撮影当時49歳!
大人の色香に、色々な経験、辛い目にあってきた苦労がその美貌に重なって更に美しく感じます
相手役のジョニー役のスターリング・ヘイドンは彼女より11歳も下の38歳
でも彼女の衰えぬ美貌と体型は若い彼と釣り合うどころか、彼は彼女の引き立て役になっています
脚本も彼はお話の狂言回しとなっています
他にも悪漢バート役のアーネスト・ボーグナインが素晴らしい存在感を示しています
敵ボス役のエマを演ずるマーセデス・マッケンブリッジも良い仕事ぶりです
ところでギターを抱いた渡り鳥という言葉
おそらく同年製作の小林旭主演の同名の邦画から生まれた言葉でしょう
しかしおそらくは本作のジョニーギターからの翻案だろうことは本作の映像を一目見れば明らかでしょう
本作からヒントを得た時代劇や任侠ものはそれこそ山のように有りそうな名作です
堪能できる一本でした
名前はジョニー・ギター。
賭場の女将(ジョーン・クロフォード)とは曰く因縁がありそう。
銀行強盗事件が起き、殺された男の娘がどういうわけか女将を目の敵にしている。
ペギー・リーの歌う名曲「ジャニー・ギター」と共に異色西部劇を楽しむ。
有名な映画音楽はこういう映画だったのか。小林旭の渡り鳥シリーズは、これだね。
さらに驚きの色彩(トルカラー)、やけに色鮮やかと思ったけど、この時代、こういうのもあったんだ。