神経科医オリバー・サックスが実体験をつづった著作をもとに、30年にわたる昏睡から目覚めた患者と彼を救おうとする医師の交流を、ロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズの共演で描いたヒューマンドラマ。1969年。ニューヨーク、ブロンクスにある慢性神経病患者専門の病院に赴任したセイヤー医師は、話すことも動くこともできない患者たちに反射神経が残っていることに気づき、訓練によって彼らの生気を取り戻すことに成功する。ある日彼は、30年前にこの病院に入院して以来ずっと眠り続けている嗜眠性脳炎の患者レナードに、まだ認可されていないパーキンソン病の新薬を投与する。そしてある朝、レナードはついに目を覚ます。監督は「ビッグ」「プリティ・リーグ」のペニー・マーシャル。
レナードの朝評論(20)
やっと観た。
非常に自分の携わっている障害福祉とも近しい内容であり、セイヤー医師にも共感を抱いた。
現代からすれば「ん?」と言う場面や、映画ならではの表現力が少なからず見られるが、人としての尊厳や生きていく意味を丁寧にとらえている部分は非常に好感が持てる。
またロバート・デ・ニーロやロビン・ウィリアムスの演技が神がかっており、あの屈託のない笑顔はどうやって表現されるのであろうか?と興味深く見ていた。
パーキンソン病等の疾患は特定の原因もなく、非常に厄介であるが、患っている本人をないがしろにするのではなく意思を尊重し寄り添う姿には涙なくしては見れないだろう。
観ていて改めて思ったが、ロビン・ウィリアムスの演技のひとつひとつに心を動かされるし、本当に惜しい人を失ったとつくづく感じる。
また当時は鬱を患って自殺するとは本人も思ってはいなかっただろう。
今さらではあるが、ご冥福をお祈りします。
母親と再会するシーン
眼鏡を直すシーン
彼女とダンスするシーン
泣ける
ロバートデ・ニーロの演技すごい
ロビンウィリアムズの目がすごくきれい
ロバートデニーロの演技力はすごい。パーキンソン病の祖父の症状をずっとひどくしたような感じがよく出ていた。きっと物凄く研究を重ねたのだろう。
アルジャーノンに花束をとよく似ていた。一度希望を持ったのに、それがだんだん打ち砕かれていく絶望感は計り知れない。
レナードのお母さんや父親の見舞いをしている女性など、患者を取り巻く登場人物の心情にも思いを馳せられるようなリアルさがあった。
ロビンウィリアムズとロバートデニーロの笑顔がかわいらしくてとても素敵。
デニーロの演技はやっぱり凄いですね。難しい役どころでも自然に魅せてくれます。
ロビンウィリアムズはこういう役が本当に似合いますね。優しくて真面目な医師の役です。
セイヤー先生の人柄がすごく好きです。外出先の提案でオペラや博物館などのお堅い場所しか思いつかなかったり、ダンスでおどおどしてたり。なんとも微笑ましい。
この作品、好きなシーンがたくさんあります。
患者達にボール回しをさせたり、音楽を聴かせたり、「庭」がとっても賑やかになるシーン。
医師たちが無言で小切手を置いていくシーン。
レナードが海に入って行っちゃうところや、エレベーターでの「跳ねるな」。
無意識に笑顔になってしまうような温かいシーンがたくさんあります。
しかし、患者たちには眠っていた時差による葛藤が。それを見て医師も…。
そういった辛さも温かいシーンと引き立て合って、とても沁みる。
レナードが飛ばしてしまったセイヤー先生の眼鏡を拾った後のシーン。
セイヤー先生が過去に映ったレナードとのビデオを観る場面はもう泣かずにいられない。
一番好きなのはやっぱり、あの2人のダンスシーン…切なくて、でも幸せで…心にきます。
ラストも素敵。レナードが教えてくれたことが、変化をもたらした。
きっとこの目覚めの奇跡にはいい意味があったんだ、と思わせてくれます。
人生にはどうにもならない辛いこともある。それでも希望はあると教えてくれる。
日々過ごすうちに時として忘れてしまう、大切なものを思い出させてくれる。
人の温かさを感じる、切なくも優しい作品でした。