ピューリッツア賞を獲得したハーパー・リーの小説『ものまね鳥を殺すには』をホートン・フートが脚色し、「九月になれば」のロバート・マリガンが監督した社会ドラマ。撮影は「ポリアンナ」のラッセル・ハーラン、音楽は「肉体のすきま風」のエルマー・バーンスタイン。出演者は「悲愁(1959)」のグレゴリー・ペック、新人少女メアリー・バーダム、新人少年フィリップ・アルフォード、ジョン・メグナ、フランク・オバートンなど。製作はアラン・J・パクラ。なおこの映画でグレゴリー・ペックは62年度アカデミー最優秀主演男優賞、脚色者のホートン・フートは最優秀脚色賞、セット美術のオリーバー・エマートは最優秀黒白美術賞を受賞した。
アラバマ物語評論(20)
主人公はアメリカのヒーロー像1位にも輝いたと言う。演じるはさすがのグレゴリー・ペック。
古くとも色褪せぬ、これぞ名作という作品。
でもあの隣人、私なら敬遠する、怖い(笑)
かけ離れたアティカスでしたが、見進めるうちにしっくりきました。
子どもたちが嫌な顔をする通り、あの年頃の子供をもつにはいささか
歳のいった、そのための円熟味、寛容さ、常に公平であろうと
するがために時に見せる頑固な一面…そんなアティカスを完璧に
演じていたと思います。
子どもたちはまるっきりイメージ通りでした。
無邪気で傷つきやすくて好奇心旺盛…子供らしい子供達が
理不尽な出来事やヒヤッとするような経験を通して、
子どもたちの手を優しく引いてくれるアティカスのもとで
すくすくと成長していく様子が、よく描かれてました。
小説は後に読むことをオススメします。
近所の住民たちとの交流や、アティカスがいかに子どもたちに対しても
公明正大であったかというエピソード、一筋縄ではいかない
絡まりまくった「人種」問題についてなど、深く味わえます。
鑑賞日:2015.4.3
◎よかった点◎
・グレゴリーペックの裁判物と思って見始めたら。
半分以上は子供目線の話だったのが、意外性あり。
・その裁判物としても、斬新な展開があり。
黒人が裁判を傍聴しようとしても2階だけ。
「弁護うまいよな」と思った裁判結果も、1930年代という世相を写していて。
ちょっとビックリ。そうきたか。
・なぜ子供目線だったのだろう?。
それはどんな時代であれ、子供はやんちゃだし、父親は子を愛する。
悲しい時代を語るためには、その目線が必要だったのかも。
△いまいちな点△
・130分ちょっとの尺、もうちょっと考えれば100分くらいにコンパクトにできたかな。
若干だらっとした感はあり。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
(なぜ黒人を弁護するの?の娘の問いに)「弁護しなくては、心に誇りが持てないからさ」by父。