ドイツの現役弁護士作家フェルディナント・フォン・シーラッハの世界的ベストセラー小説を映画化した社会派サスペンス。新米弁護士カスパー・ライネンは、ある殺人事件の国選弁護人を担当することに。それは、ドイツで30年以上にわたり模範的市民として働いてきた67歳のイタリア人コリーニが、ベルリンのホテルで経済界の大物実業家を殺害した事件で、被害者はライネンの少年時代の恩人だった。調査を続ける中で、ライネンは自身の過去やドイツ史上最大の司法スキャンダル、そして驚くべき真実と向き合うことになる。主人公ライネンを「ピエロがお前を嘲笑う」のエリアス・ムバレク、被告人コリーニを「続・荒野の用心棒」の名優フランコ・ネロが演じる。監督は「クラバート
闇の魔法学校」のマルコ・クロイツパイントナー。
コリーニ事件評論(20)
そこを軸に物語が展開されるのであれば、たいていの筋書きは察しが付く。被害者はドイツ財界の大物、犯人は黙秘を貫くイタリア人、その国選弁護人は裁判初舞台のトルコ人。おまけに被害者は、その弁護士を支援してきた恩人であった。人物像の背景は初めから出来上がっていた。
緊張感はあり、ドイツらしい重厚さもあり、物語に”誠実さ”もある。しかし、予想範囲内。
それでも最後、あれで救われた気がした。誰が、は言わないけど。
ミステリーとドラマの融合で、だんだん引き込まれ、その展開に驚愕し、涙してしまう。
ベルリンのホテルで、67歳のイタリア人コリーニが、経済界の大物実業家を殺害するシーンで幕が開く。
この事件の国選弁護人を担当することになった、新米弁護士のライネン。
被害者はライネンの少年時代の恩人だった。被告人は動機について一切口を閉ざす。ライネンはその何故?という疑問の真実を知るために諦めない。
調査を続けるうちに、戦後ドイツの不都合な真実の歴史、衝撃の法のトリックでドイツ史上最大の司法スキャンダル、そして真実を暴き、国を激震させた衝撃の真実と向き合うことになる。
驚愕すべき法の落とし穴を見事に暴き鑑賞後は満ち足りた気分になった。
ワルサーP38と聞いてルパンを思い浮かべました。
戦争というシステムの中で多くの人を殺したドイツ人がいた。多くの加害者・被害者の存在、そして彼らの死ぬまで癒えることのない傷をも想起させる傑作。
必見だ。
コリー二を演じたフランコ・ネロと再会した。