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ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち評論(8)
「耳なじみのあの曲も、インディアンの血を引くミュージシャンが手がけていた」といった事実を知る人も少なくないはず。
クインシー・ジョーンズ、イギー・ポップ、スティーヴン・タイラー、スティーヴィー・ヴァン・ザントらミュージシャンや、この手の映画では常連になりつつあるマーティン・スコセッシ監督といった証言者たちの面々も豪華。
元々アメリカ大陸の先住民だったのに、いつの間にか僻地に追いやられてしまったインディアン。彼らはその怒りや哀しみを音楽に変えてきた。21世紀になっても、そのムーブメントは変わっていない。
黒人音楽がロックに影響与えたことは、知っていたけれども、その黒人音楽自体が、遺伝的にも音楽的にもネイティブ・アメリカン文化に影響を受けていたなんて、これも初めて知る事実だった。しかも、遺伝的に黒人とネイティブ・アメリカンが混じり合ったのは、横暴な簒奪者である白人によるひどい仕打ちのせいであるとは。男の奴隷をアフリカから輸入して邪魔になったインディアンの男をアフリカに輸出した上に、黒人男性とインディアンの女性で奴隷を再生産するとは、まったくもって勝手すぎる。
皮肉にもその人種・文化の融合からジミヘンの音楽が誕生したっていうのは、なんと言っていいのか。
メタルが好きだから、ランディ・カスティロが登場したのは嬉しかった。アンスラックスのジョーイ・ベラドナも登場してほしかったな。ジョーイもインディアンの血を引いていて、「パブリック・エナミー」とともにヘヴィメタルとヒップホップ融合させて、当時の僕たちを驚かしたからね。
白人の弾圧を乗り越えたネイティブ・アメリカンの音楽・文化を知ることができて、とてもよかった。