1960年代イギリスを舞台に、当時流行した「モッズ」と呼ばれる若者たちの生きさまを描いた青春映画の金字塔。細身のスーツにミリタリーコートを重ね、飾りつけたスクーターで街に繰り出し、古い道徳を振りかざす大人たちに反発する“怒れる若者たち”。「モッズ」と呼ばれた彼らの、停滞する社会への行き場のない怒りや疎外感、刹那的な生き方を鮮烈に描き、モッズブームを引き起こした。65年、ロンドン。細身のスーツに身を包み、ベスパやランブレッタにまたがるモッズたちのグループは、革ジャンにリーゼントのロッカーズたちのグループと敵対関係にあった。広告代理店で働くジミーは、モッズのリーダー的存在であるエースに憧れ、モッズ仲間たちとドラッグやケンカに明け暮れる毎日を過ごしている。そんなある日、海辺の街ブライトンでモッズ対ロッカーズの大規模な衝突が起こり、暴動騒ぎにまで発展するが……。映画の原題「Quadrophenia」は、イギリスを代表するバンド「ザ・フー」が孤独なモッズ少年の物語をつづった73年のロックオペラアルバム「四重人格(Quadrophenia)」から。同アルバムがモチーフにもなっており、「ザ・フー」のメンバーが製作総指揮に参加している。1979年に製作され、日本でも同年公開。2019年10月には40年ぶりにデジタルリマスター版でリバイバル公開。
さらば青春の光評論(18)
あこがれましたね
Who の音楽がよかったですね
それにあのスティングがでていましたから・・
イージーライダー、卒業、特にラストシーンは僕の大好きな映画「ハロルドとモード」の明らかにオマージュ?
映画の中でミュージックビデオ的なことをするのはすごく好きです
ジーン・ヴィンセントの"Be-Bop-A-Lula"を口遊むロッカーズが「SCUM スカム」の主人公だった驚き、チョイ役でフィル・ダニエルズも出ていたし、J・ニコルソンの相棒も「ディパーテッド」で演じていたレイ・ウィンストン。
大人になれない、なりきれない、自己中で考え方も幼い、性格の悪さが際立つジミーには正直イライラさせられるが、ステフの最初の彼氏の大人びた態度より、カリスマ性抜群なスティング演じるエースより、誰よりもモッズで格好よく映える姿でキマっているのは、ジミーでありフィル・ダニエルズであろう。
ジミー役をジョニー・ロットンって話があったのには、驚かされた!?
ラストのシーンがオープニングへ、メッセンジャーボーイの青春を終わらせる行動はベルボーイにとっては最大の迷惑行為でしかない!?
あぁ、、ジミーよ永遠に。。。。
大昔レンタルビデオで見て2回目、主人公がへなちょこ野郎で、徒党を組んで暴れる様子に反吐が出そう。会社を辞めたのにスーツにネクタイという堅苦しいファッションを好むところが全く理解できない。だったら真面目に硬い仕事すればいいのにと思うのだが、たぶん違うのだろう。
とにかく、へなちょこがイキっている様子が腹立たしく、暴動の場面はすごい、などと考えて見ているうちに、主人公の彼を否定することは自分を否定することであるような気持ちになって、自分の恥ずかしい部分を見せられているような気がしてくる。あほみたいにバックミラーをつけたベスパ、自慢のスーツ、彼にはそれしかなく、青春映画ではパーティの場面では必ず主人公が悲惨な目に合うのが定石なのだが、この映画では活き活きと楽しそうにしているパリピで、自分とは全く違うのだけど、そんなパリピの中身の無さ、パーティや仲間といる時だけがすべてといったような悲しさは感じる。
スティングが警察に殴り掛かっている暴動シーンは、ポリスがポリスを殴っているというギャグなのだろうか。そんなスティングがホテルでコマコマと働いていて、主人公と同様に打たれる。
ジミーの性格もキレやすく、ドラッグ飲みすぎ、仲間を見捨てるといったところに全く共感できず、薬局に盗みに入るなんてのも廃人に近いやん。つるんでる奴も平気で仲間を見捨てるし、結局はファッションで目立とうと、女を引きつけようとしてるだけ。敵対するグループ、ロッカーの方がまだマシな気がした。
それでも何に対しての怒りなのか?ロクな仕事がないことに対して?その後のパンクロックムーブメントには訴えることがビンビンに伝わってきただけに、単なる大人になりきれない青年たちの物語でしかなかった気もする。
60年代のサブカルチャーも理解できたし、暴動や疾走感の映像は良かったし、ラストの崖のシーンも秀逸だっただけに主人公が残念すぎた。音楽を楽しむならザ・フーの「四重人格」を聴けばいいだけだし、楽しむのなら“さらば青春の光”のコントを見ていた方がいい・・・とりあえず、スティングで加点。